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INTERVIEW

インタビュー

縁ある人を物心両面の幸福に導ける技術を体得している真の指導者「プロスピーカー」として生きる人物に焦点を当てた本コーナー。今回はJPSA認定シニアプロスピーカーの塚越左知子さんです。群馬県で江戸時代から続く家業を継ぐも、資金繰りや天災、風評被害などの問題で膨らんだ借金は30億円。そのなかでなぜJPSA活動を続け、V字回復をすることができたのか、塚越さんにお話しいただきました。

老舗旅館の六代目女将に就任も膨らんだ借金は30億円

私は群馬県伊香保温泉にある「温泉宿 塚越屋七兵衛」を営む一家の長女として生まれました。裕福な家庭に育ち、中学からは進学に伴い上京。学校卒業後は大手企業に入社して、仕事も遊びも全力で楽しみ、東京での生活を満喫していました。あるとき、母から一本の電話が。「家業を手伝ってほしい」。その一言がどこか嬉しく、少しの親孝行のつもりで群馬に戻ることを決意しました。しかし蓋を開けてみると、経営状態は火の車。最初の仕事は、連帯保証人の書類に判を捺すことでした。そこから、六代目女将として旅館の立て直しに奔走するも、天災や風評被害、リーマンショックなどで宿泊客は激減。気づけば借金は30億円に膨れ上がっていました。返済に追い詰められ焦る私は、売上を求めて社員に厳しく指導。次第に社員は疲弊し、お客様へのサービスの質も低下。社員の離職が後を絶たず、八方塞がりだった2010年に『頂点への道』講座を受講しました。

勇気を振り絞った自己開示が人生のターニングポイントに

3日間の時間とお金の投資を多くのリターンにつなげられるようにと、食い入るように受講をしたのを今でも覚えています。しかしマーケットや組織文化から発生する相次ぐ離職などこれまで積み重なって膨らんだものは、そう簡単に変わるものではありませんでした。
そんな私に転機が訪れたのは、再受講3回目のこと。すべてがお家の恥で、家業のことを隠し切ろうと思っていた私に、なんと受講生の前で体験談をシェアする機会をいただいたのです。震える足で壇上に立ち、これまでの苦しみ、抱えている借金のこと、そしてこの状況を良くしたいとすべてをシェアしました。話し終えたとき、不思議と気持ちが晴れていました。やるだけやってダメなら仕方ない。できることをすべてやると決意した瞬間だったのかもしれません。何より驚いたのは受講生の反応です。「勇気をもらいました」「私も前に進み続けます」。たくさんの人からのお声に「今までしてきた経験に無駄はない」と思いました。体当たりしてでも前に立ち向かい、挑戦し続ける。そして関わるすべての人に貢献できる自分になりたい。壇上シェアがプロスピーカーを目指すきっかけとなったのです。

JPSAで身につけた人に貢献する生き方が再起の源に

2013年から受講したプロスピーカー・トレーニング・プログラム。この講座で過去の棚卸しを行い、理想の人生について何度も向き合いました。過去を振り返れば振り返るほど感じた、母が女手一つで与えてくれた愛情や160年以上続く塚越屋が提供してきた価値。そのどれもが当たり前ではなく、支えられ、成長ができる有難い環境だったということに気づいたのです。この環境にどれだけの人が人生をかけてきたのかに想いを馳せました。それは借金返済しか見えていなかった私にとって、母や先祖、社員への感謝が、心の底から芽生えた瞬間でした。人生の汚点だとすら思っていた過去への捉え方が変わり、少しずつ行動が変化し始めたのです。
現場に戻り最初は社員の目を見て大きな声で挨拶をする。社員を観察し欲求別のカルテを作成するなど、できることから始めました。そして、「ネガティブな経験も必ず誰かの役に立つ」と信じて、社員にとっての活躍の舞台を創ることにチャレンジ。例えばアニメが好きなだけで、過去いじめを経験した社員とイベントを企画。他にも乳がん手術の傷跡や脱毛症など、外見に悩みを抱える女性たちが気兼ねなく温泉を楽しみ、さらに一歩踏み出す勇気をもらえる。そんな貸切入浴イベントも開発しました。そういった社員を活かし切る商品が社員の自信を育み、それが売り上げを支え、コロナ禍でも伊香保温泉の平均集客率約1.5倍を実現。新規のお客様の52%がリピーターとなり、「楽天トラベル」のランキングでは全国TОP5の評価をいただきました。
かつては「こんな状況になったのは母のせい。女将として戻ってこなければ良かった」と誰かのせいにして、不足感に苛まれていた自分。しかしJPSA活動によって、過去のことすべてが自分の挑戦の理由になり、そしてそのメッセージを社員や関わる人へ貢献という形で分かち合い続けることで、結果的に自他ともに豊かになっていったのです。

大切にしてきた生き方、考え方を次世代に承継する

おかげさまで初受講から3年後の2013年にベーシックプロスピーカーに合格。そのあとも前に進み続け、気がつくと重くのしかかっていた30億円の借金はすべて整理。2025年には晴れてシニアプロスピーカーにも合格し、今は新たな使命に燃えています。それは、日本の宝である「温泉・旅館文化」を発展させ、次の世代に伝承していくことです。
私の命には限りがあります。しかし、この塚越屋の歴史や文化、そして私が学び実践してきた「考え方」は、人の手によって未来永劫残し続けることができます。もし今、かつての私のように、周りのせいにし、未来に希望を見出せずにいるのなら、伝えたいことがあります。それは「自分が変われば、未来が変わる」。誰かではなく、「自分自身が技術を学び、その能力を身に付ける。その覚悟をもつ」ということです。人生の終わりを迎えるその瞬間まで、自身の経験を通して、このメッセージを伝え続けていきます。

160年以上続く温泉宿の六代目女将として、温泉・旅館文化の発展と次世代への伝承に力を注いでいる
JPSA活動や仲間によって磨かれた、貢献し続ける生き方
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