良質な情報を届け、青森から豊かな日本へ
株式会社あおもりSEIAN 代表取締役
NPO法人loveaomoriproject 理事長
一般財団法人日本プロスピーカー協会 顧問/認定シニアプロスピーカー
縁ある人を物心両面の幸福に導ける技術を体得している真の指導者「プロスピーカー」として生きる人物に焦点をあてた本コーナー。今回はアナウンサーとして活躍したのち、青森県議会議員として県民を守る情報発信を続けている後藤さんです。生きているだけで精一杯だったという状態から、青森のためという志がいかに育まれていったのか、お話しいただきました。
東京で生まれ育ちましたが、縁あって青森放送のアナウンサーとなり、青森の人や素晴らしさにたくさん触れました。2003年にキャリアアップを目指してフリーアナウンサーに。しかし、当時の私は全てにおいて不幸感でいっぱいでした。情報を伝えたくて虐待や殺人のニュースを読んでも一向に良くならない社会。プライベートでは結婚を破談にしてしまい、孫を期待している両親に申し訳ない気持ちで、親不孝な自分を責め、ただ生きているだけで精一杯でした。
そんなとき、興味をもち学んでいたセラピー関係で出会った方から青木社長の無料講演会を紹介されたのです。はじめて青木社長のお話を聞いたとき、雷に打たれたような衝撃を受けました。話している内容の深さは理解できないことが多かったのですが、青木社長の力強い声、一心不乱に想いを届ける姿勢から、「この方のメッセージは本気だ」。感性のレベルでそう感じ、『頂点への道』受講を決意しました。
精神的苦痛からの解放を求めて受講を進めていきましたが、変化していったのは、自分に対する捉え方でした。はじめは、自分なんてダメだ、自分には価値がないと考え、過去の体験に対しても否定的な解釈をしていました。しかし、選択理論心理学を土台にした安心安全空間のなかで、講師やアシスタントのプロスピーカーの方々から「事実は一つ、解釈は無数」という考え方を教わりました。私のフェーズに合わせてわかりやすく学びを噛み砕いていただき、自分の過去に対する捉え方も解釈であり、事実ではないとパラダイムシフトが起こりました。そして、「自分次第で解釈を変えられるなら、肯定的な解釈を選ぼう」と、少しずつですが、捉え方が肯定的になり、健全な自己概念が育まれていったのです。今度は私がこの良質な情報を伝えられる存在になりたい。そう思い、プロスピーカーを目指しはじめました。
プロスピーカーチャレンジは私の人生にとって、大きな転換点となりました。誰のために何のためにどういう生き方をしたいのか。これまで受講のなかでも自分の過去を振り返り、向き合うことはありましたが、プロスピーカーチャレンジにおける自分の人生の掘り下げは全く深さの違うものでした。プロスピーカーの方に多くの時間関わっていただき、誰のために良質な情報を伝える使命を果たしていきたいのか。私のなかから出てきたのは、「青森の人たち」でした。青森放送の局アナを辞めたとき、多くの視聴者からお手紙をいただき惜しんでいただきました。当時は申し訳ない気持ちが強かったのですが、応援されていたからこそ恩返ししたいという肯定的な解釈へ少しずつ変わっていきました。まさに私のなかにあった思いの種が引き出され、大きく育っていく感覚でした。
ベーシックプロスピーカーに合格したのは2009年のこと。それと同時に起業して、青森県の地域活性化プロジェクトを開始。講演活動を行って良質な情報を届けたり、青森の魅力を詰め込んだ商品を販売したりしました。講演では喜びのお声をたくさんいただき、「青森の人たちを幸せにしたい」という願望がさらに磨かれていきました。
2013年にはシニアプロスピーカーに合格し、起業家プレゼン大会の主催、官公庁の事業として大規模イベントを開催するなど、自分の成長と貢献の幅を広げられていると感じていました。しかし、コロナ禍で青森県の現状を目の当たりにします。日本一の短命県、自殺率1位、平均所得ワースト1位。そのデータと向き合い、「十年間、私は何を頑張ってきたのだろう」と、とても切ない気持ちになりました。でもだからこそ、何か行動を変えないと自分が目指しているビジョンにたどり着けないとも思いました。そこで出した結論が、教育と政治が変わらない限り、社会は良くならないということでした。そして、全く経験も知識もありませんでしたが、青森県議会議員へのチャレンジを決意したのです。
2023年4月、たくさんの方のお力をお借りし、青森市選挙区からは20年ぶりとなる女性議員として当選することができました。県政に携わらせていただき、一人の力ではできないことを発信できていると手ごたえを感じています。政治活動のなかでも、JPSAの仲間たちは私の大きな支えとなっています。プロスピーカーは各業界のプロフェッショナルの集まり。議会で質問する資料づくりの際には、専門家としての意見を聞かせていただくこともあります。同じ目的をもっているからこそ、何の気兼ねなく助けを求めたりアドバイスを求めたりできます。この環境は当たり前ではないと、心から感謝しています。
いま私は、学び始めたときには見られなかった景色を見れています。これは、何も私が特別なのではなく、誰もが学びを継続していくことで手に入れることができます。私も学び始める前は、自分の人生を選択できるとは思ってもいませんでした。しかし、良質な情報と出会い、学び続けることで、思考は確実に変わっていき、幸せな人生を選択できると確信するに至りました。教育と政治の両面から社会を良くする道はまだ始まったばかりですが、いままで私を育ててくれた縁ある人々への恩返しの想いを胸に、青森から豊かな日本を作りあげるため、これからも良質な情報を伝え続けてまいります。