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INTERVIEW

インタビュー

縁ある人を物心両面の幸福に導ける技術を体得している真の指導者「プロスピーカー」として生きる人物に焦点をあてた本コーナー。今回はIT会社を経営する前田朋康様に赤字発進となった事業承継と、そこからの逆転劇、利他の範囲が拡張していった経緯、未来へのビジョンを語っていただきました。

事業承継後3か月で赤字額は前年度の3倍に

今の会社を経営するようになったのは7年半前です。元代表から代表交代の相談を持ちかけられ、良い経営をしてやると意気込んで引き受けました。しかし、プロジェクトマネジメントはしていましたが、経営は初めてで、最初の3か月で前年度の3倍の赤字を叩き出してしまいました。信頼されていた社員からは陰口をたたかれ、物事を決めつけて考えるようになり、妻との夫婦関係も悪化していきました。そんな時に紹介を受けたのがアチーブメントの『頂点への道』講座でした。
願望がすべての出発点であり、願望を明確にする技術がセルフカウンセリングであることを学び、これなら私にもできると思い実践してみました。初めは私が求めているものは会社の売上だと思っていました。しかし、ダイナミックコースの受講を通し、他者の立場に立って物事を考えていくなかで、「一番大切なのはお金ではないかも」という想いに至りました。「本当に大切なものは何か」。たどり着いたのは妻という存在でした。
当時の私は妻に迷惑ばかりかけていました。結婚理由は子どもができたからでしたし、次男を妊娠していたとき、私はうつで仕事ができませんでした。やがて復職しても、大切にしたい生き方など考えず、ひたすら仕事の毎日。しかし、そんな私を妻は支え続けてくれたのです。その大切さに気付き、セルフカウンセリングの主語を妻に変えて実践しました。すると、妻が求めているもの、大切にしているものを何一つ思い浮かべることができませんでした。私の課題はこれだと思いました。周りの人が何を求めているのか分からず経営者として上手くいくはずがないと猛省しました。普段の妻の言葉や行動に徹底的に心を傾けて、聞き、観察し、ときには質問をしました。そして妻の願望を満たすための行動を一つずつ実践していったのです。
自分が大切にしたいもの、本当に手に入れたいものは何か。それを問い続けるようになりました。そして、大切な人を大切にしよう、大切な人の幸せのために頑張ろうと決心したのです。少しずつではありますが、関係性が変わっていき、いまでは、妻と良好な関係を結べていると実感できています。

選択理論を学び行動が変化残業時間9割を削減し賞与を増額
全社員リモートワークをしながら理念経営を大切にしている

妻に気づかせてもらえた大切なことを、行動に移す上で役に立ったのは選択理論心理学でした。私たちに備わる根源的な欲求を理解し、社員の欲求を内発的動機に繋げるのが私の役目である。そのためのマネジメントや育成の仕組みづくりが必要だと考え実践しました。
初めに取り組んだのは、社員全員と面談の時間を設けることでした。初めは社員から何の要望も出てきませんでした。もともと私は人を信頼することができない人間でした。間違いを探す仕事柄もあってか、信じられるのは自分だけだと思い込んでいました。社員を行動させるには管理することだと考え、外的コントロールを使ってきました。しかし、人は例外なく内側に願望を持っており、それを叶えるために行動している。願望を知り、願望の実現を支援すると同時に、会社の発展に結びつけるのが私の役目であると、選択理論の考え方を信じ、何度も面談を重ねました。すると、少しずつ社員から要望が出てくるようになりました。挽きたてコーヒーが飲める機械の設置、コアタイムなしのフレックスタイム制の導入など、社員の願望を一つ一つ叶えることで、社員も内発的に仕事に取り組むようになり、一人ひとりの生産性も向上していきました。
その結果、20名程の社員数にもかかわらず売上は1億円増え、残業時間の9割削減を達成、残業代として支払っていた以上の金額を決算賞与で支払えるようになりました。

誰かではなく自分がやる人生のビジョンが拡張

選択理論とアチーブメントテクノロジーを活用することで、自分だけでなく、妻や社員の幸せにも繋がっていきました。しかし、業界を見渡した時に未来が暗いことに気づきました。IT業界は子どもが就きたい職業ランキングで上位にある職業です。にもかかわらず、社員の幸福度は低いのです。背景にはIT業界に蔓延る外的コントロールとコミュニケーション能力不足があると考えています。このままでは日本のIT業界が海外に搾取されるという強い危機感を覚えました。こういった背景から、IT業界に携わる人向けに選択理論心理学とアチーブメントテクノロジーを伝える「TechAchievers」という勉強会を開催し始めました。
ベーシックプロスピーカーの頃は、会社を大きくしようとは正直考えていませんでした。社員が幸せならそれでいいと考えていました。しかし、シニアプロスピーカーチャレンジをする中で、利他の範囲が自分・家族・会社・社会という風により広い範囲まで広がりました。目の前の目標を達成したときに、自分だけでなく身近な人を幸せにしていると感じ、身近な人を幸せにしていること自体が、社会貢献に繋がっていると本気で思えるようになったのです。今では選択理論やアチーブメントテクノロジーを広めるためにも、自社が発言力を持ち社会に貢献することが必要だと心の底から思っています。

自分に与えられた能力を 世の中に還元したい
業界を巻き込んだ勉強会を継続開催し貢献の幅を広げている

私自身まだまだ学びの途中です。特にアシスタントに入らせていただくたびに、成長の場をいただいていると感じています。受講生の願望や人生の目的に本気で寄り添い支援する関わりを通して、社員の願望を傾聴し、支援し、成長をともに創り出す能力にダイレクトに繋がっていくからです。
会社を経営して赤字発進させていた私が、自分自身だけでなく、家族、社員、社会の幸せに繋がる活動ができるに至ったのは、この学びとの出会いや、JPSAの仲間との出会いのおかげです。プロスピーカーとして活動できるこの環境が私の成長を創り出し、人としての器を拡張させてくれています。これからも培ってきた能力を世の中に還元できるよう、活動を続けてまいります。

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