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INTERVIEW

インタビュー

ホームインタビュー芳川 恵子・芳川 悠
期待が何よりのプレッシャーと化していた

―ご受講前のお二人はどのような関係性だったのですか?
恵子 「進学したいんでしょ?だったら早く起きて学校行って勉強しなさい!」選択理論を学ぶ前、娘に対して毎日のように言っていたセリフです。離婚を機に、母子家庭で二人の子どもを育てると決意し、起業を選びました。最初の1年でスタートダッシュを切るために、懸命に働きました。すべては愛する子どもたちを守るためです。何にも変えがたい、愛おしくて、大切な娘だったのにも関わらず、「学校に行きたい」と口にした言葉を信じて、怒鳴りつけて車に押し込んで学校に連れて行く毎日でした。そしてある日、娘はついに起き上がれなくなってしまったのです。「学校に行きたい」という言葉は本心ではなかったのです。一体どうしたらよいのだろうか。何がいけなかったのだろうか。私が娘を潰してしまったのかという申し訳なさと情けなさに、自分を責め続けていました。

 幼少期に白血病を患い、過酷な闘病生活をずっと支えてくれたのが母でした。私を守るために努力してくれていたことは痛いくらいにわかっていました。だからこそ心配をかけたくない、安心してほしい、そんな一心で家事や弟の世話をし、できる限り「いい子」を演じていたと振り返って思います。「私さえ我慢したら良い」「母に安心してもらうために喜びそうなことを言おう」と。しかし、そうすればするほど、苦しくなっていきました。とうとう限界を迎え、不登校になってしまったのです。「私は母の期待に応えられない」「私には無理だから、もう求めないでほしい」「私なんていなくなったらよいのに」本気でそう思っていましたね。

「すれ違い」が「深い信頼」に変わる学びとの出会い

―どのようなきっかけで『頂点への道』講座に出会われ、なにを一番学ばれたのですか?
恵子 『起業家のための社長学』という一冊の本からでした。起業をしてから懸命に努力をし、結果を出してきました。やってきたことが正しかったのだなという確信を得た一冊です。と同時に、選択理論の考え方にも初めて触れ、衝撃を覚えたことを忘れません。「人はコントロールできない」と知ったのです。どうしても娘を守りたくて、立派に育ってほしくて、その愛情故に私が使っていたのが「外的コントロール」だったのだと、それではどれだけ頑張っても逆効果だと知ったのです。選択理論を正しく学び、実践できるようになったら、この状況をよくできるかもしれない。そんな一筋の光を頼りに、アチーブメント社の門を叩き、学んでは実践を繰り返しました。

 最初は、母の関わりの変化に正直戸惑いました。強く言われなくなりましたが、「私はとうとう諦められたんだ、もうそこまでだめな存在なんだ」と受け取ったのです。それでも優しくし続けられるので、母を試すような行動をたくさん取りました。しかし、母はその姿勢を貫き続けました。

恵子 私にとって一番大切なものはなにか。と自問自答し続けていましたね。学歴・評判・周囲の評価といった「飾り物」にどれだけ囚われていたのかを思い知りました。かつて病気で生死の境をさまよっていた娘を見て、「ただただ生きているだけでいいから」と願い続けた自分を思い出しました。そんな大切な娘を、いまは私の間違った考え方・関わり方によって苦しめている、そう思うと胸が張り裂けそうな気持ちになりました。娘を変えるのではなく、私が変わろうと固く決意をしたのです。どんな反応をされてもいい、時間がかかってもいい。それでもただただ「あなたが大切だ」「あなたは生きているだけで素晴らしい」と伝え続けようと。

 学校に行くことを強要されなくなり、大好きなディズニーランドにたくさん連れていってもらいました。いつも好きなことをさせてくれて、楽しい時間を過ごせる。いつでも応援してくれる、味方でいてくれる。そのような関わりから、次第に母のことを受け入れられるようになり、関係が改善されていきました。母のおかげで、「結果を出す私」「活躍している私」「優等生の私」ではなく、「そのままの私でいいんだ」と初めて思えるようになったのです。そんな母が学んできたことに興味を持ち、当時のアチーブメント社の学生向けプログラムを受講したのが、プロスピーカーへの第一歩でした。

「親子」で指導者として生きる決意

―まさに受講生のモデル親子と言われるお二人ですが、どのように学びを深めてきたのですか?

 講座での数多くのセッションを通して、選択理論とアチーブメントテクノロジーを深く知ることができました。と同時に、母がどれくらいの覚悟を持って私を育ててきてくれたのかを噛み締めました。その愛を受け止めきれなかったかつての私は、自分に自信がなかったのです。大好きな母だったからこそ、母の顔色をとても伺って生きていました。しかし、「私自身の幸せが母にとって1番の幸せであること」を学んだのです。涙が止まりませんでした。「これだけ母に愛されてきた私には無限大の価値がある」「もっと母の想いに応えたい」「だから私が幸せになり、私が成功していくんだ」という思いと力が、心の底から湧き上がってくるのを感じました。ちょうど進路を考える時期でもあり、この経験が人生を決断するための大きなヒントにもなりました。母は学びを通して関わり方を変えてくれましたが、世の中にはそうでない親もたくさんいます。未だにいじめや虐待、差別が絶えない社会です。しかしそれも、その親や子が悪いのではなくて、「外的コントロール」という考え方に支配されているこの社会に問題がある。私もそこに苦しんだ一人だったからこそ、経てきた経験を通して人の役に立ちたいと思いました。子育てをするすべての母親に、子どもたちに、自分と大切な人を大切にする生き方を伝えたいと願い、助産師として働くと決めたのです。

恵子 娘が目指すと決めたことは、私の使命にもとても通じていました。女性が自立し、女性の持つ「母性」が開花し、大切なひとを大切にする、愛を育んでいく関わりこそが社会に必要である。この課題の解決に自分の命を使っていきたい。プロスピーカーチャレンジで得てきた確信でした。諸先輩に導いていただいたのと同じように、「本当はどうなりたいの?」と娘にも問いかけ続けてきました。そうして学びに触れ、「使命」を見つけてからの娘の行動力には凄まじいものがありました。助産師国家資格・看護師国家資格・養護教諭Ⅰ種・保育士という4つの国家資格を同時に取得したのです。これは、外的コントロールをどれだけ使い倒したとしても、作れなかった成果です。人が持つ本来の力を引き出すには、選択理論が必要だと改めて確信が深まりました。選択理論に生き、自立し、自信を持ち、豊かに生きる女性を増やしていくのだと、自分の縁ある人からその輪を広げていくのだと、決意を固めることができたのです。

 「使命」が定まると、迷うことも人目を気にすることも減りました。いつでも協力者で、理解者である母とも、コミュニケーション量が増えました。多くの方に支えていただいて、今日この日を生きているなと実感しています。この命は当たり前ではないからこそ、一人でも多くの方に貢献していくことに全力投球しています。

女性が満たされ活躍し続ける社会を目指して

―プロスピーカーとして生きる価値、親子だからこそ目指せるものとはなんですか?

恵子 プロスピーカーチャレンジを通して得てきたプライベートでの変化は、当然のことながら仕事にもとても活きました。娘のことを大切にできるようになり、無償の存在に対する感謝や承認を伝えられるようになってから、社員に対する関わりも同様に変わっていったのです。会社を経営していれば当然のように問題がおきます。そんなときに、当事者という「人」をどうにかしようとするのではなく、お互いの「関係性」や「環境・仕組み」に焦点を当て、より良い組織風土・文化づくりに注力しようと思えるようになったのは、間違いなく娘とともに歩んできた成長の道のりがあったからです。社員一人ひとりに対して「あなたはあなたのままで素晴らしい」と言葉だけではなく心の底から想い、伝えられるようになったことで、社員たちもより自分らしく生きれるようになったと思います。そうして一歩ずつ会社も成長してきました。店舗型の接客が事業の中心ですので、新型コロナウイルスの影響は大きくありましたが、その翌年には社員たちが懸命に努力してくれたお陰で大きく業績を伸ばし、V字回復を果たすことができました。

 母の活躍や変化は、一番そばで見ていたからこそ、社会人になったその後も母の背中を追いかけて、もっと深く学びたいと思いました。継続学習し、たくさんのプロスピーカーの方に指導してもらいながら、私もチャレンジを決心して取り組んできました。半年間のプロスピーカートレーニングプログラムを受講し、幾度とプレゼンテーションをし続け、得たものは私が掲げてきた使命へのさらなる確信でした。また、それをどのように実現していくのかという道のりが鮮明に見えるようになり、育児に携わる親や学校に通う生徒たち、保育関連の方々に本気で伝えていくことをしていきたいと強く思えるようになっていったのです。晴れてプロスピーカーに合格させていただいてからは、母校を始め数多くの学校やPTAなどでの講演させていただき、着実に想いが現実化してきていると感じます。

恵子 初の親子プロスピーカーとして、全国でもたくさんの親子講演の機会をいただいています。お話をするたびに、これまで経験してきたことが走馬灯のように蘇ってきては、ともに乗り越えてきたこと、喜びを分かち合ったこと、悲しみを共有したことを噛み締めます。そして毎度思います、「生きていてくれてありがとう」「あなたはあなたのままで素晴らしいんだよ」と。生涯これを伝え続けていく覚悟が深まっていくばかりです。そしてそのように自分の大切な人と接することができる方を一人でも多く増やしていくことを決意しています。

 2022年には、私は子ども向け研修である『リーダーキッズ』の講師資格を、母は親向け研修である『ファミリーコーチング』の講師資格も取得することができました。子どもたちとそのご両親に選択理論を、私たち親子で伝えられるようになりました。また一つの夢がかなった瞬間です。

恵子 もし選択理論とアチーブメントテクノロジーを学んでいなかったとしたら、もしプロスピーカーになっていなかったとしたら、そう考えると恐ろしくなります。もしかしたら、娘の命はなかったのかもしれません。私たちはこの学びによって人生が180度変わりました。そしてこれは、幸運でもセンスでもなんでもなくて、技術なのです。誰しもが学ぶことによって変わることができるのです。自分の手で自分の人生を豊かにし、大切な人を大切にしていく生き方。このなかにこそ、本当の幸せがあるのだと思います。これからも貢献の幅を広げ、身近な縁ある方から学びを分かち合い、良い社会を実現していけるよう、親子で協力して活動をしてまいります。

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