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INTERVIEW

インタビュー

岩手県生まれ。子どものころからの「パイロットになる」という夢を追い続け、数々の試練を乗り越えて、国内大手航空会社に入社。現在は機長として国内便・国際便ともに担当しており、総飛行時間は10,000時間に迫る。また、部下育成にも定評があり、指導教官として後輩の育成にも尽力している。航空会社同士の壁を超えて業界に貢献したい一心から開催を始めたエアマン有志勉強会《FLY》には、これまでに延べ1,300名以上が参加をしている。

憧れのパイロット 理想とかけ離れた現実

空に憧れを持ったのは5歳からでした。買ってもらった自転車が飛行機同然に思えて、坂を下るたびに滑走路を走る姿を想像していました。飛行機を操縦している姿を、子どものころから毎日頭のなかで思い浮かべるくらい大好きだったのです。
本当に純粋な「夢」でした。いつか飛行機を操縦できるようになりたい。その「夢」は、次第に具体的な願望に変化をしていきました。どうやら、パイロットになるには航空大学校を出る必要があるらしい。そう知ってから、まずは入試をパスするために、必死に勉強をし続けました。やっとの思いで合格し、入学。「よし、これで俺の夢が叶う」。そう思っていましたが、待ち受けていたのは、厳しい訓練の毎日でした。
「なにやってんだよ、それじゃ墜落するぞ」「おまえは本当に才能がないな」「もう一度ゼロからやり直せ」。そんな罵声を浴びせられるのは日常茶飯事。何かミスを起こそうものなら、墜落の恐怖を体感させるかのように、もう一つの操縦桿を握る指導教官は、飛行機を何度も急降下、急旋回させました。私の脳裏に焼きついたのは、恐怖の感情だけでした。
なんとか訓練生活を乗り越えて、航空会社に就職すると、訓練生だった私は「副操縦士」に変わり、隣に座っていた教官は「機長」へと変わりました。しかし、訓練で焼きついた記憶が何度も蘇ります。操縦桿を握る責任感もさることながら、どうしたら機長や先輩たちに怒られずに済むのか……。そんなことを毎日考えるようになったのです。フライトを終え、着陸すると背中はいつも汗だくでした。もちろんそれではいい仕事ができるはずはありません。ミスをして怒られては、自分を責め、そんな繰り返しで、いつしかベッドから起き上がることができなくなってしまったのです。

自信がほしい一心で 踏み出した受講

見通しのない暗いトンネルに入った感覚でした。「思い描いていた人生と全然違う」「この先どうしたらいいのか」と悩んでいたときに、書店で出会った『一生折れない自信のつくり方』という書籍が私の人生を大きく変えました。そうだ、自信がほしい。そう思い、貪るように読み込みました。そこで『頂点への道』講座の存在を知り、青木社長から直接教えを請えれば、変われるかもと、アチーブメントの門を叩いたのです。
受講を通してもっとも印象に残った学びは、選択理論の考え方でした。自分が直接コントロールできるのは自分の思考と行為だけだということ。確かに私は弱く、自信がなかった。でもそれは悪いことではないのかもしれない。弱いからこそ人の気持がわかるし、強くなることができる。こうして、自分自身への捉え方を変えていく挑戦の毎日が始まりました。
もちろん、思いだけでは結果は出ません。毎朝のセルフカウンセリングによる理想の明確化、3か月に一度の再受講での継続学習、手帳でのタイムマネジメント。どれも始めはうまく行きませんでしたが、自信形成は毎日の積み重ねであるという言葉を信じて、とにかく実践しました。そうして気がつくと、少しずつ余裕が生まれてきたのです。外的コントロールに対して、自分を責める思考を選ぶ習慣を、どう改善するか? また、隣に座る機長の願望を満たすために、私には何ができるのか? そんなことを考えるようになりました。意識的にポジティブな言葉を自分にかけ続けた結果、思考の中心が「怒られないためにはどうすればいいか」ではなく「よいサービスを提供するために最善を尽くす」に変わっていき、操縦桿を握ると止まらなかった汗が自然と収まりました。そんな着実な成長を実感するにつれて、徐々に自信がついていきました。

選択理論を空へ― プロスピーカーへの コミットメント

考え方を変えた結果、仕事のパフォーマンスが変わり、機長に就任しました。正しい努力は成果に結びつくという納得感を得ることができました。そうして周りを見渡すと、私と同じように、自分に自信が持てなかったり、人間関係に葛藤を感じたりしながら、仕事をしている後輩がいたのです。
実は航空事故の原因の6割はヒューマンエラーと言われています。長いと10時間以上密室で2人きりで仕事をするコックピット。機長と副操縦士の人間関係が悪かったとしたらどうでしょう。目の前のことに集中できるはずがありません。そんな環境で、まったくミスをせずに仕事をこなすことのほうが至難の業だと思うのです。
だからこそこの業界は、人間関係が鍵を握ります。自分の思考と行為をコントロールする技術を身につけ、外的コントロールに対して上手に受け止めることができれば、私のように多くの問題が解決します。自信のなかった自分がここまで変われたこと、それはきっと多くの人の見通しになるために必要な経験だったと思ったのです。
だからこそ、選択理論を航空業界に普及する。それが実現したときに、この業界が変わります。サービスの質が、お客様の満足度が変わります。「それを誰がやるのか?」そう自問自答したときに、自分だと思ったのです。そこで志したのが、選択理論とアチーブメントテクノロジーを自身の体験を通して他人に伝えていく、プロスピーカーです。

10年後、選択理論を この業界の当たり前に

お陰様で、資格を手にしてから4年という月日が経ちました。いま活動として注力しているのは、《FLY》という有志の勉強会です。もともとは一緒に働く副操縦士から「どうしたら松好さんみたいなフライトができるのですか?」と聞かれたことがきっかけでした。答えは選択理論とアチーブメントの学び以外にありません。みんなが求めているのなら、その素晴らしさ伝える機会を作っていこうと、立ち上げたのがこの勉強会だったのです。初めはパイロットが来られ、次にCAの方が来られました。そうして少しずつ口コミで広がっていき、航空業界にある会社の壁を超えて、たくさんの方が来られるようになったのです。私にとって航空業界は、子どもの頃からの憧れで大好きな場所です。だからこそ業界全体を良くしていきたい、そう強く思うようになっていったのです。50か月連続開催が実現し、初回7名が、今では延べ1300名以上の方にご参加をいただけています。そして、ともにこの勉強会を運営するチームに、私を含め4名のプロスピーカーが誕生しました。「選択理論を空に」というミッションは、もはや私一人の思いではなくチーム全員の願望となったのです。
業界が求めるこの情報を、これからも多くの方に伝え、広めるために、2027年までにFLYから100名のプロスピーカーを輩出します。その先に必ず業界が変わり、お客様に本当の意味での感動をお届けするサービスを提供できる日がくると確信しています。
私にとって「プロ」とは、希望を叶える存在だと思っています。とすると、プロスピーカーとは、生き方を通して人に希望を与え、「私もああなりたい、ああなれるように頑張りたい!」という意識変容と具体的な行動変容を生み出せるリーダーのなかのリーダーだと思っています。社会変革のためには必要不可欠な存在です。
自分が豊かになるだけでなく、仲間を会社を業界を社会を豊かにできる。そんなプロスピーカーの輩出に尽力し続けていきます。

航空会社の壁を超えて、業界従事者にメッセージをし続けており、多くの方の成長に貢献している。
自身の経験を踏まえた具体的な指導で、後輩たちの成長を支援している。
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