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【松村 一弘】投稿コラム

JPSA認定プロスピーカー松村 一弘による投稿コラムです。

松村 一弘(まつむら かずひろ)

松村建築設計事務所 所長

1955年熊本県生まれ。
近畿大学九州工学部建築科卒業後、地元福岡の建設会社に就職。33歳で国家試験、1級建築士の試験に合格。独立し、建築設計事務所を設立。その年に約1年かけて、手造り(家族総出)のログハウスの事務所を建設。
44歳でサイドビジネスを開始。人作りの重要性に気づく。2008年10月プロスピーカー試験に合格。自分の成長が与える影響力の大きさに気付いたことがきっかけとなり、現在は人材教育育成セミナーも企画。勇気を与え続けるプロスピーカーとして活動をしている。

私にとっての自信とは!

2013年7月22日更新

「自信とは、自分の能力や価値を確信すること、自分の正しさを信じて疑わない心」(広辞苑より)
私は後者の「自分の正しさを信じて疑わない心」に強く共感し、今まで行動実践してきました。
私は今までの経験で築いたことが自信になっていると思います。
しかし、時代の変化とスピード゙に対して経験だけでは自信にならず不安になる場合もあります。
例えば、建築業界は特に変化とスピードが重要視されてます。
今から35年前、大学卒業時の建設業界は高景気で、仕事量に対して技術人員不足でしたので、
技術を習得するチャンスの時でも有り、建築構造(鉄筋コンクリート造、鉄骨造、PC造、木造)と
全ての工法を現場体験で学び、習得することで自信が出来ました。

しかし、時代は凄いスピードで大きく変化し、建築の工法や現場施工環境が変わり、
特に図面関係の機械化(キャドシステム)は時間の短縮化、多様化に対応でき、
建物の納め方を体験する前に、機械が自動で納め図面化する机の上だけの納め方。
そのために建築物の複雑な納めが理解できず、
現場で不安な若者が増えて自信を無くしてるのが今の現状です。
どうしてこのようになったか。
ここで具体的に建設業界の「物つくりの変化」について少し説明しましょう。

私が建築業界の道を選択した時は日本列島改造で、日本全体が土木、建築の物造りの絶頂期で、
若者が土木建築に進学、就職しており高度成長期の真っ只中でした。
その頃からコンピューターの進化発展で、
手動から自動化で様々な建築物に対応出来るようになり、
建築物の構造工法(在来工法、2*4工法、壁工法、鉄骨工法、PC工法、RC工法)が変化することで
現場での時間短縮、低コストにも拍車がかかりました。
私は日本の風土に適した日本古来の土壁在来工法を推薦したいのですが、
時代の流れでニーズがなくなり、その結果、技術を習得した職人が減少。
特に大工、左官業は深刻な事態です。

建設業界の職人は現場体験を時間かけて経験することで一人前になります。
忍耐と時間がかかります。
建築物は設計図・施工図から始まりますが、最も重要なのが職人の技術力です。
職人の経験に基づいた自信とプライドで建築物の価値が出来上がります。
それには職人の数多くの失敗体験が自信、プライドになってるのです。
机の上の建築設計ではない、全て現場で造り上げて建築物が生まれてくる。
「全て現場だ」と教えてくれたのが、私の叔父さんです。
建築設計業に進路を決めたのも叔父さんの助言でした。
大学卒業時に友人達は、営業、設計事務所に数多く就職。
私は現場監督希望で地元大手の某建設会社に就職。
そこであらゆる建築構造・工法を現場体験で学び、習得出来たことが、
設計事務所設立の自信になり現在に至ります。
しかし、技術者としての自信は身についていたのですが、営業力が不安。
「独立はしたが、設計事務所を運営出来るのだろうか?」
知り合い、友人も少ない慣れない土地でどうしたらいいか考えて、
まず地域の方々に顔見知りになってもらうために何か出来る事はないか、
いろんなサークル活動、地域活動に参加、進んで役員になり、
当たり前のことを特別熱心にしかも徹底的にやり続けました。
また環境が凄く良かったことで、仕事に結びつき、個人・官庁関係、また幅広く関わる事ができました。

事務所を開業して26年目を迎えて、今建設業界は停滞期で益々変化の時期に突入してます。
建築工法の進化、建設業の不況、一番の原因は後継者不足による職人不足です。
土木建築は不可欠な職業で無くならない職業です。
なぜ建築業を選択し継続してるのか?
建築設計事務所開業時は自己満足、つまり私の設計した建築物が私の死後、
形として残り続けることそれが喜びでしたが、時間が経つほど、設計を重ねるほど変わり、
今では発注者の方々の生命と財産と生活環境を守るための家創りです。
「自信」とは自分の生まれ育った環境、自分で選択した環境の中でやりたい事、
また生きがいの中で一つ一つ積み上げていく成果では無いでしょうか。
時に迷い、目的を失う事も有るかもしれませんが、
その時、その時自分を救ってくれた人・書物など、方向修正をしてくれた出会い、
そんな積み上げによって人に影響を与えられる人間へと成長していく。

この世に生をうけて死ぬまでにどれくらい自信が身につくか。
環境、人間関係、日々の生活の中で生かされていることに感謝し、
いろんな方々に貢献することで、気がつけば自信につながるのではないでしょうか。

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