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INTERVIEW

インタビュー

1957年生まれ。ドラフト4位でヤクルトスワローズに入団し、1991年まで現役選手を続けたあとコーチに転身。在籍した球団をリーグ優勝7回、日本一に4回導いた手腕を評価され、2010年に横浜ベイスターズ監督に就任する。2年後に監督を解任されたものの、2013年より読売ジャイアンツ二軍の投手総合コーチに返り咲き、リーグ優勝に貢献した。アチーブメントの初受講は2012年。数多くのアシスタント経験を経てベーシックプロスピーカーとなる。現在は、明桜高等学校野球部の総監督兼投手コーチとして活動しながら、アチーブメントテクノロジーと選択理論心理学を野球の指導に生かしている。

外的コントロールが 野球人口を減らしている

私がアチーブメント社の『頂点への道』講座と出会ったのは、2012年。監督を務めた横浜ベイスターズから離れたときでした。時間ができたこともあり、将来に役立つ勉強をしたいと思ったことがきっかけです。当時の北海道日本ハムファイターズを悲願の優勝に導いたプロ野球コーチ・白井一幸さんが、アチーブメントを学んでいることを知ったことも大きな要因でした。実は、私が横浜ベイスターズの一軍監督をしている時期、白井さんは二軍監督で、その指導は目を見張るものがありました。選手たちの主体性が特に印象的で、そんな白井さんが、指導力を高めるために学んでいることならきっと間違いないだろうと、受講に踏み出したのです。
受講初日、私は早くも「この学びを最後まで続けよう」と決意しました。コーチ時代、よく選手たちに「どんな選手になりたい?」「そのためにどうしたらいい?」と問いかけていましたが、アチーブメントテクノロジーと選択理論を学んでいく中で、その指導法の裏付けがとれた感覚でした。選手のパフォーマンスを最大化するために、もっと力をつけたいと心から思いました。 しかし、受講をとおして選択理論を学ぶうち、ある深刻な現実が見えてきました。それは、野球界が外的コントロールに満ちているということ。しかも、野球年齢が低くなればなるほど、外的コントロールが強く根づいています。現在、年間一万五千人ずつ野球人口が減少していますが、「野球は好きだけど、監督やコーチがいやだから」という理由が多くあります。その根底に外的コントロールという考え方があるのです。
さらに衝撃的だったのは、私自身が外的コントロールの使い手であると気づかされたこと。私は怒鳴り散らすタイプではないのですが、相手を屈服させる「無言の圧力」をかける外的コントローラーでした。

「恐れ」のない関係が アイデアを引き出す

アチーブメント初受講の翌年、私は読売ジャイアンツの二軍コーチに就任しました。他球団から一軍のオファーもありましたが、二軍選手のほうが伸びしろがあり、選択理論的指導の力の見せ所と思って、あえて二軍を選びました。このときから、批判する、責める、脅すなどの「致命的な7つの習慣」を手放し、選択理論的指導を意識し始めましたが、若手の選手たちに徐々に変化が生まれていきました。それまでは「攻めるときはこうやれ!」と一方的に指示していたのですが、「こんなとき、自分たちならどう攻めるの?」と質問すると、選手自ら考え、「こういう攻め方はどうでしょうか」と、主体性を持って提案してくれるようになっていったのです。この変化の背景にあったのは、特に意識していた「恐れのない環境」だったと思います。人は、「意見を言ったら否定される、怒られる」という恐れを持つと、自ら発言しなくなります。ですが、恐れがなければ、のびのびと素直に意見をいえます。きっと一般社会も同じだと思います。外的コントロールがはびこる「恐れで支配される組織」では、若手社員は決して自分の考えを表に出しませんが、恐れのふたを外せば、斬新なアイデアや発想が出てきます。また、自分の考えを口にするということは、自分自身に「これをやります」と宣言するのと同じことです。これによって、若手選手の中に責任感が芽生えるのです。

「伝える」ではなく「伝わる」を学びたい

二軍で若い選手たちと関わるうち、アチーブメントテクノロジーと選択理論のことを単に伝えるだけでなく、理解し、実践しやすいように届けたいと思うようになりました。そして、プロスピーカーを目指すことがそれを手にするために効果的であることを知ったのです。講演活動によっていじめや差別のない明るい世界を作るJPSAの取り組みは、私がこれまでやってきたこと、やりたいこととリンクしていました。「プロスピーカーとなって、アチーブメントテクノロジーと選択理論を伝えることができれば、コーチや監督といった指導者はもちろん、選手たちにも伝わっていく。そうすれば野球界はもっとよくなる」。そう確信し、チャレンジを決意したのです。チャレンジの中で、セミナーアシスタントに入ったことも大きな学びと成長を得たきっかけでした。100%貢献という前提で過ごす時間には、自分から一歩踏み出して受講生の方の願望を聞き、それを支援する行動を自ら取っていくという関わりが求められます。普段の指導現場がそのまま現れますので、自分の課題がどこにあるのかがよく分かるのです。そして、「相手のために」と思えたときに、躊躇していた一歩を踏み出せるという経験をたくさんしてきたおかげで、「伝わる」という伝達力の本質にあるものは、相手を思う心、すなわち貢献のマインドであると、身を持って学んだのです。

プロスピーカーとは、勇気と 希望と感動を与えられる人

アチーブメントテクノロジーと選択理論を相手の心に「伝わる」メッセージで発信し、気づきを促し、行動変容を作り出していくことが、プロスピーカーの役割です。それを野球の指導者に伝えていくことが私のミッションです。先述のとおり、野球界は強制的にやらせたり、ガミガミ叱ったりする外的コントロールが指導の常識です。しかし、選択理論を知れば、指導法を変える人が出てきます。きっと、多くの指導者はかつての私のように、「知らないから変われない」だけと思います。
プロスピーカーとなり、講演活動を行うようになって以来、自分の取り組みの幅が広がったと感じています。野球界はもちろん、スポーツ界からも外的コントロールをなくしたい。話を聞いてくださる方を目の前にするたびに、その可能性を実感し、勇気をいただいています。
私自身、まだまだ経験を積む必要があると思っています。いまはまだ発展途上の段階です。その中でも一つこだわっているのが、現場に立ち続けることです。2019年からは、高校野球の監督・コーチを引き受けています。実践の場で学び続け、成果を出すことが、メッセンジャーとしての礼儀ですし、講演を聞いてくれる方の立場だったら、成果を出しているから学びたいし、学び続けている人の話を聞きたいはずです。そんな存在になれるかどうか、すなわち「この人から学びたい」と思ってもらえるかどうかが、指導者としての分かれ目だと思います。今後も、さらに伝達力を磨き、本物の指導者を育てられるよう、力をつけていきたいと思っています。世の中から外的コントロールを排除するには、全員がメッセンジャーとして選択理論とアチーブメントテクノロジーを発信し、世の中の当たり前を変えていく必要があります。そして、そのプロセスで、結果的に自分が成長し、豊かになっていきます。
そんな、目標達成をあきらめかけている人、人間関係に悩んでいる人に、勇気や希望や感動を与えられる存在になれるよう、みなさんとともに学び合いを続けたいと、強く思っています。

全国にて、選択理論的指導法を伝える講演会に登壇している
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